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【浦潮日記】ポエジー編 #10 ーロシア極東連邦大学ロシア語留学記ー

【浦潮日記】

注記;各項目最後の括弧内の日付は、自分がそのことをメモした日である。

<ポエジー編 #10>
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ああ なつかしや ウラジオで見つけたり キネティカ・イ・カタリス

 大学院時代に読んだロシア触媒学会機関誌 Кинетика и Катализ(化学メカニズムと触媒反応)を大学の図書館で見つける。

こういうものを見ると寂しさがなくなる。パラパラ中を開いてみる。古い親友に偶然会ったような気になるから不思議なものである。(2013.3.5.)

今年 初めて気温がプラスになり 春を実感

 今日3月6日、今年初めて気温がプラスになり、少し暖かく、春の到来が近いことが実感される。(2013.3.6.)

予告無しの食堂閉鎖

 授業の後、昼飯を食べようと思って寮2階の食堂に行くとドアが閉まっている。

今日だけだと思っていたら、ずっと閉まったままである。日本人学生が言うには大学が新校舎に引っ越すのでそこのキャンパスに移ったという。大変不便である。しかし何の掲示も貼紙もない。全く不親切である。一言ぐらい、

「長くお世話になりました。今度云々—-」

という貼紙があっても良いと思うが、これがロシア風か!不親切である。そう言えば、大学構内に唯一存在していたコピー・センタも突然閉鎖である。ドアに「閉鎖」の貼紙だけである。大変不便を強いられた。(2013.4.7.)

毎日が丘登りのアパート生活

 あるロシア人先生が住んでいる大学付属のアパートは10階建てである。しかし、エレベーターがない。4階までは所帯持ち、それ以上の階は学生が住んでいるという

。我々が住んでいる8階建ての学生寮も同じような感じの建物で、2,3階は日本人、韓国人、西欧人の学生や教員、それ以上の階は中国人学生、ロシア人学生、ロシア人の所帯持ちが住んでいる。ただ少し違うのは、エレベーターはあるのだが壊れているのかまったく使われていない。

ここにロシア人のいい加減さと貧しさがある。良く言えば根気強いというのか、あきらめが良いというのか。いずれにしても、上の階に住むと年寄りは大変だと思う。(2013.3.7.)

ウラジオ駅 待合室も 厳しいボディチェック

 5年前に来た時はシベリア鉄道の始発駅、ウラジオストック駅の待合室は自由に出入りできた。今は厳しいボディチェックと所持品検査がある。

空港のチェックとおなじである。これは5年間にあったテロの影響と思われる。昔は警察が巡回していて、荷物を椅子において、窓を眺めていたら、「これはあなたの荷物かね」と尋ねられた。

現在はあまり広くない構内だが、内部はファースト・フード店などもできて少しきれいになっていた。(2013.3.9.)

風格のあるウラジオストック駅

中国人 中華料理店で 腹こわす

 ロシア語の先生は、衛生管理が悪い不潔な中国料理店は入らない方が良いと言う。ロシア人も良く腹痛をおこすという。

中国人の多い市場の中国料理店は安いけど、我々日本人から見るとやはり止めたほうが良いと思われる雰囲気である。何しろ中国人学生も腹痛を起こしたぐらいである。(2013.3.2.)

24時間営業

ロシアで24時間開いているのは、薬局、花屋、サウナ、ス―パー・マーケット、食品の宅配などである。マイナス20℃の寒い時でも営業しているのだからたいしたものである。

ス―パー・マーケットは最近普及し始めた。このス―パに24時間いつでも宅配しますというチラシがおいてあった。これも最近始まったサービスであろう。薬局、サウナは我々日本人でもまあ納得できるが、どうしても納得出来ないのが花屋である。

暗い街に薬局、スーパー、ナイトクラブなどのネオンに混じって、花屋のネオンが光っているのである。そんな真夜中に何で花を買う必要があるのか、店はペイするのかと全く疑問に思う。聞くところによると、これらの花はオランダや極東の日本などから輸入されているという。

ロシア人の花好きは、劇場に行った時や、昼間に街を歩いていてわかる。劇場では沢山の観客がバレリーナや歌手に花を渡す。また市場の中に花屋さんが何軒も店を開いている。そして沢山きれいで活き活きした花を売っている。

一方、野菜はあまり新鮮でないものが平気で並べられているからおかしなものである。当然、花の値段は高い。一度だけ、昼間、中年男性がショッピング・センター入口で花輪を大切そうに持って、誰かを待っているのを見た。これらのことを先生に質問してみた。

そしたら、「皆さんの国ではどんな時に花を贈りますか」いう話題になり、韓国人、中国人、日本人が各々意見を述べた。年配の僕に話が振られたので

「個人的に送ったことは一度もないです」

と答えた。

日本に帰ってから、叔母さんが亡くなり、その葬儀に出席した折、大きな花輪を贈り、それを遺影横に飾った。これは僕の故郷の習慣である。(2013.4.25.)

笛吹けど止まらず ロシアのアル中

 ロシアのビール缶には「飲酒はあなたの健康を害します」と書いてある。また寮の掲示板にも「アルコールは毒薬だ」という警告ビラが貼ってある。

もちろん、テレビではアルコール、煙草の宣伝は禁止されている。11年前にモスクワに一ケ月滞在した時、昼間なのに広場でビールビンを持った若者がたむろしているのを見た。携帯用コーヒーカップを持つような感覚で、まるでファッションである。

シベリア鉄道に乗った時も、食堂車でアルコールを買って良い気分で出来あがった青年集団に「ここは何号車か」と尋ねられた。

極東連邦大学寮の同じフロアに住んでいる日本人女子学生が、数日前にモスクワから帰ってきたので、今のアルコール事情を聞いてみたところ、今でも若者は昼間からウォッカやビールを飲んでいるという。

ウラジオの海岸通りの公園の塀には「飲酒厳禁」と貼紙がしてある。昼間から酒を飲んで騒ぐものがいるのであろう。(2013.3.11.)

キャビア

日本にいる時から、ロシア極東のウラジオではキャビアやイクラが安いだろうからイクラ丼を作って腹一杯食べるのを楽しみにしていた。缶詰でない新鮮なキャビアやイクラを売っている市場を見つけたので、店内をくまなく散策してみた。

魚を除いて、肉や野菜、果物なども結構新鮮である。ところがその値段をみてびっくりである。イクラの値段が円換算で日本と大差ないのである。結局買うのを止めた。

聞くところによると、こういうキャビア、イクラ、カニなどの高級海産物は輸出品らしい。ロシア国内でも値段が高いのである。だからロシアの漁業関係者は結構儲けているらしい。日本でも正月になるとロシア産の大きなカニが売られている。

ロシア語の先生の話によると、僕の行った市場はやはりウラジオでは良いものを売っているところだという。こういう儲かるおいしいビジネスにはすぐマフィアが手を出してくるとも先生は言っておられた。(20132.1.25.)

ポエジー編 #11 に続く

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