注記;各項目最後の括弧内の日付は、自分がそのことをメモした日である。
軍人優遇のロシア社会
赤い手帳を運転手に示して、無料でバスを降りる年配の婦人を見かけたので、翌日授業中に
「あれはどんな人か」
とロシア語の先生に質問すると「多分、若い時に軍関係で働いていた人だろう」と言う。更に先生が言うにはロシアでは軍で20年間以上働くとアパートが無料でもらえるという。更に年金も普通の人より高い。(2013.1.9.)
5月9日「勝利の日」、退役軍人と
空港並みの厳重チェックの日本総領事館
長期滞在の登録のため在ウラジオストック日本総領事館を訪問した。入口に警官がいて、要件を聞かれ、荷物チェック、身体検査など空港と同じようなボディチェックを受ける。(2013.1.9.)
中国文化大革命 その時の子供の子供に文化無し 毛沢東よ!「造反有理」に無理が有る!
僕らのクラスは中国人、日本人、韓国人から構成されている。中国人男女学生の行儀の悪さにあきれて嫌になる。
例えば、授業中に携帯を使う、授業に遅れてくる、中国語で授業中に大きな声で無駄話をする、授業中に手をあてずに大あくびする、男子学生が隣席の女の子にちょっかいを出して触る、女の子が股を広げて椅子に座っている、あごに手をついてボーとしているなどの行為である。
ひどい学生は眠たい顔をして遅れて来て、机の上の教科書に顔をつけてうつむいたままである。多分顔も洗ってないのだろう。先生が何回、注意をしても言う事をきかない。
先生も「幼稚園だ」と嘆く。ここでは中国人学生の比率が一番多い。文化大革命後の改革・開放政策で少しばかり裕福になった国の子供達である。情けない品格の無い国民性である。
考えてみると、この学生たちの親は丁度、毛沢東が引き起こした文化大革命の世代である。僕は物心ついた時から隣国中国の動きに関心を持ってきた。特に文化大革命の時は、壁新聞の内容と毛沢東の愚行に怒りと情けなさを感じたものである。
尊敬する「偉大な毛沢東」から子供の時に、あんな野蛮で下品なことを教えられれば、文化も教養も中国の良き伝統もあったものじゃ無い。
現在に至ってもニュースで聞く中国人幹部の腐敗は底知れぬ。またウラジオの中国人学生と知り合って気付いたことは、彼らは案外、現代世界政治史や文化大革命のことは知らないということであった。多分、歴代中国指導部の都合の良い情報と教育の中で育ってきたのだろう。 (2013.1.12.)
何事も色眼鏡で見、既成概念で判断するのは幼稚で危険
授業開始を待っていると、いつも真面目に授業に参加している中国人の学生が「日本と中国が大変なことになりましたね」と話しかけてくる。領土問題で反日感情が中国で高まっていた時である。
ちょっと前には、中国国内で激しい反日デモがあり、日本大使の車が嫌がらせを受けたこともあった。彼の表情からは、こんな時にはロシアでも日本人学生と自分は仲良くしたらダメという感じがみて取れた。
どうも中国人は人が見ているところでは、どこにいても政府の公式声明どうりに行動しないといけないという考えがあるようだ。長い間に身に着いた保身術なのだろうか。
韓国との領土問題も同時期にあったが韓国人学生と日本人学生は通常どうりである。そんなことを言ってくる学生もいない。普通の常識があるのである。しかし、中国人はこういう議論を吹っ掛けるのが好きなようである。
日本人向けの極東連邦大学の留学案内パンフにもこういう中国人学生に注意しなさいと書いてある。授業中に中国人学生が
「今、日本に行ったら、ぶんなぐられるぞ」
と言ったのには驚いた。彼らは自分らが中国で日本人に対してやっていることと同じことを、日本でやられると思っているのである。(2013.1.11.)
文化大革命と「一人っ子政策」で苦しむ中国
授業で中国の一人子政策が話題になった。先生が言うには
「一人っ子はわがままに育つから好ましくない」
というわけである。ここでの中国人の態度や話から、中国社会は思っていたよりひどいことがわかった。考え方が封建的で、ルール違反は平気でやり、地位や肩書も金と権力で買収していく社会である。
大学入学に必要な高校卒業証書も金で買える。実際クラスでそんな中国人学生が一人いて、話題になっていた。彼はよく授業をさぼる。聞くところによると、親はウラジオ近郊に働きに来ていて、一人っ子である息子に良い教育を受けさせたいということで、息子の彼はここで勉強しているらしい。
日本に帰国してから、日本の大学の教官が、中国人学生の高校卒業証書偽造に関与して逮捕されたというテレビ報道を聞いた。(2013年11月1日のテレビ)
多分、中国人にとっては、このような偽造は当たり前のことだったのであろう。一人っ子政策についてもいろいろ面白いことを聞いた。まず第一子が女だったら、罰金を払えば第二子までOKとのこと。また農村部では労働力確保のため一人っ子政策は無く、二人目も普通にOKとのこと。その農村部から多数の農民が都市に出稼ぎにきているのだから変な話である。
帰国してから読んだ新聞記事(2013年11月1日付)によると、最近中国では、一人っ子政策の見直しが進み「夫婦どちらかが一人っ子の場合、2人の子を持てる」新たな政策が実施される可能性があるという。現在は「一人っ子同士の夫婦の場合は2人の子を持てる」という。
これもウラジオで中国人学生から聞いた話だが、男女共、23才以上でないと結婚出来ないという。中国人学生が言うには、今、中国では「家持ち、車持ち、親とは別居」が結婚の好条件という。
孔子、孟子なんかとっくの昔にどこかへ行っちゃたわけである。一昔前の日本ではやった言葉である。今、中国では高齢者の独り暮らしが社会問題になっている。
老人ホームもすごい倍率らしい。役所も面倒をみてくれない、子供もいないとなるとひどい事になる。ロシア人の先生も「5~10年後に大変なことになる」と指摘していた。(2013.1.12.)
中国では救急車は有料
たまたま、授業中に救急車の話になり、中国人、韓国人、日本人の学生の間で、「自分らの国では無料か、有料か」という話になった。
少し驚いたが、あの一応社会主義を標榜する中国では、救急車はタクシーと同じように○○元/kmと有料なのである。日本では最近、救急車の対応や、たいしたことが無いのに救急車を呼ぶ非常識な人間がいて一部問題になっているが、だから有料にするという話にはなっていない。
少し前に日本を訪問した中国の学者が「日本は社会主義国家だ」と言ったという話を聞いたことがあるが納得できる。(2013.1.12.)
ポエジー編 #7 に続く
コメント