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【越中屋弥左衛門の地球見聞録】 第3回:パリ散策  恐怖のギックリ腰でヨボヨボ歩き(2008年12月25~12月31日)

越中屋弥左衛門の地球見聞録(ぼっち旅)

はじめに

これは弥左衛門が世界のあちこちを一人で旅した時の旅行記である。特に多くの国を訪れたわけではないが、気ままにその時の興味にまかせて出かけた。特に弥左衛門の関心はその国の言語と歴史、国民性である。だから博物館や美術館を見つければ、必ずそこを訪問し、可能ならそこの学芸員と雑談した。

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パリ

正月休みを利用して、パリ散策旅行を行った。主な興味と関心はルーブル美術館を訪問すること、シャンゼリゼ通りやエッフェル塔など街中心部の見物である。そして、巷間流布しているフランス人の気質に関する「うわさ話」や「都市伝説」が本当かどうか確認することである。

即ち、「パリではフランス語で話しかけないと答えてくれない」、「フランス人は不親切なので道を聞いても教えてくれない」、「地下鉄ではスリに気をつけろ」などである。この時、弥左衛門は名古屋のフランス語講座に通って、この日のために準備をしてきた。

講師はフランス人青年であった。そして、スリ被害に関しては、地下鉄で財布とパスポートを盗まれた知人の話を以前に直接聞いていた。この知人は盗まれて事に気付き、すぐ「パスポート!パスポート!」と大きな声で叫んだら、スリはパスポートだけは放り投げて逃げていったという。

また弥左衛門は寒い冬だったからなのか、パリ滞在中半ばに持病のギックリ腰を発症するというアクシデントに見舞われた。幸い、動けなくなるほど重症ではなかったので、どうにかヨボヨボ歩きでパリ「散策」を終えることができた。へたすると、「パリ・ギックリ腰物語」になるところであった。単身での外国旅行はこのようなことがおこるとヤバイことになる。

パリ・オペラ座前地下鉄入口

空港から中心部に向かうバスに乗ったら、このオペラ座前が終点であった。ここのすぐ横にある下に降りる階段が地下鉄入口である。

ここで地下鉄に乗り換えて宿泊するホテルの最寄り駅まで行った。15分ぐらい乗って、目的の駅で降りた。そしたらこの時、一緒に降りた中年女性が、「スリ、スリ」とフランス語で注意してくれた。

どうも東洋から来た中年男が、いかにも不注意にボーとしていたのであろう。「気を付けなさいよ」と警告してくれたのである。自分では全くわからないが、スリから見るといいカモにみえるのだろう。

弥左衛門は、このパリ見物の時にはスリ被害に遭遇しなかったが、二年後にロシア・サンクトペテルブルクで見事に人生初のスリ被害を体験することになる。この経験詳細については「サンクトペテルブルク・ラトビア」編で報告するつもりです。

どうも、外国人から見ると、日本人は小銭をもっているわりに、「危機管理」が甘いようである。このパリ滞在中、何回も地下鉄を利用したが、ある時、若い女の薩摩守忠度(ただのり)(無賃乗車)に出くわした。

この時は、メインの改札口ではなく無人の改札口で切符を買ってから、開閉式のストッパーが付いた改札機に切符を通してホームに出ると、若い女がぴったりと後ろにくっついて一緒にホームに来ていることに気付いた。女は慣れたもので当たり前のような素振りである。

改札から出る時も誰かの後にぴったり付いて出るのだろうかと推測した。これもパリなのかと少し驚いた。日本ではこんなことは聞いたことも見たことも無い。

ホテル周辺

ホテルの入口である。ルーブル美術館から近いので料金は安くはない。

小さいし、立派ではないが一人で泊まるだけなので別に贅沢を言わなければこれで充分である。最寄りの地下鉄駅で降りたが、ホテルは小さい路地にあったのでわかりにくかった。

そこで、乳母車に小さい子供を乗せた家族連れにフランス語で道を尋ねたところ、ちゃんと教えてくれた。あやうく反対方向へどんどん行くところだった。

 

ホテルの部屋である。日本のビジネスホテルのシングルぐらいの広さであった。しかし、日本人にとって、少しさびしいのはバスタブがないことである。シャワーだけで我慢しなければならない。しかし、短期間なので、別に個人的にはどういうことはなかった。

 

ホテル近くの公園である。立派な整備された憩いの場所である。ここを通って歩いて15分ぐらいでルーブル美術館へ行ける。

シャンゼリゼ通り

このシャンゼリゼ通りも、今は新型コロナで夜9時以降は外出禁止だという。テレビでその様子を見たが、この時の賑わいがウソのようである。

フランスを含むヨーロッパ各国では、今再びコロナが一日当たり過去最高の感染者数を記録しているという。コロナは世界各国の人々の考え方の違いや国民性、生活水準などを浮き彫りにしているが、コロナ流行の初期にフランス人がインタビューで答えていた言葉が印象に残っている。「マスクを強制することは個人の自由の侵害である」。

「個人の自由」と「公共の安全」「人に迷惑をかけない」ということの認識が日本人と根本的に違うようである。世界最強で、且つ世界一豊かな国であるアメリカのコロナによる死亡者数や感染者数が世界一なのもおかしな話である。

今、米国大統領選挙の真最中であるが、トランプ大統領の言動とそれに熱狂する支持者の集会の様子をみていると、「欧米民主主義の限界」や「新しい人類社会のあり方」について考えさせられる。

 

セーヌ川で舟遊びを楽しむ観光客の人々。

 

 

シャンゼリゼ通りに車の販売店が並んでいたのでのぞいてみた。これはベンツのディーラーである。日本と違い、えらく混雑していた。隣国ドイツの車は、フランス人にとってそんなに珍しくないとおもうけどね。

 

これはトヨタのディーラーである。

 

シャンゼリゼ通りの夜景である。今は人が全くいないだろう。あるいはネオンも消えているかもしれない。

パリ凱旋門

ルーブル美術館からシャンゼリゼ通りを通って30分ぐらい散策すると、このパリ凱旋門に到着する。もっと、大きいものかと思ったが予想より小さかった。

 

門の上や下に観光客が大勢いたので、自分も登りたいと思って、歩道を探したが見つからない。凱旋門の周囲はヨーロッパ式の信号のない車道になっていて、車がグルグル回っていて近づけない。

仕方がないので、別のところの歩道の信号を渡ってきた4,5人の青年グループに「あそこに行くにはどうすれば良いのか?」とフランス語で質問したら、英語で「あそこに地下通路がある」と、少し離れたところを指さしてくれた。どうも、英語で道を尋ねても教えてくれるようである。

パリでは、いつでもフランス語で質問しなければならないというのは「都市伝説」のようである。凱旋門の下まで行ったが、人が多すぎて上に登ることはあきらめた。

ルーブル美術館

ルーブル美術館の入口である。ガラス製でできたピラミッドで、フランス人のデザイン感覚の斬新性を感じる。

 

広場のまわりには、歴史を感じさせるいかにもヨーロッパ的建物が沢山ある。

 

ピラミッドの中に入ると階段で下に降りる。

 

窓口でチケットを買って中に入るとこんな感じである。このようなドデカイものがごろごろしている。教科書にでてくる展示物であふれている。日本の博物館とは規模が違う。

一回では見切れないので2回ぐらい通った記憶がある。なおチケット売り場には日本語のパンフレットも置いてあり、日本人は良いお客様のようである。

 

内部はこんな感じ。

 

ルーブル美術館から少し離れたところで、こういう風に絵を売っている人がいる。

こういうのを見ると弥左衛門は必ず一枚、或いはお土産用も含めて数枚買うことにしている。これがヨーロッパ旅行の楽しみの一つである。モスクワをはじめとしてロシアも絵の路上販売が盛んである。

モスクワでは画家協会が日常的に市場を開いていて、安く自分の描いた作品を販売していた。画家自身が書いた絵だから安い。日本では画廊や百貨店、骨董市などで売られているので高い。

 

そして、青年から買った絵がこれである。弥左衛門は風景画が好きである。人物や動物が入ると好き嫌いが明確になるのでなかなか気に入ったものがないのである。

 

夜のルーブル美術館入り口のピラミッドである。

エッフェル塔

セーヌ河畔から見たエッフェル塔の遠景である。

 

真下から見たエッフェル塔。1889年のパリ万博で建てられたと言うから、当時は皆びっくりしただろうと思う。しかし、今の日本人からみると、こんなもんかと思う。技術は進歩している。

 

別に登りたいとは思わなかったので、公園内を散歩した。

ラファイエット百貨店

パリの有名なラファイエット百貨店の夜景である。本場のブランド品やパリの百貨店は、日本の百貨店と比べてどんなものかと関心があったので数回訪問した。

結論的にいうと日本のデパートの方が、規模が大きくきれいである。ブランド品も別に日本のものと変わらなかった。残念ながら、特にワクワクする場所ではない。この時は、日本人のパリ爆買い旅行がまだ流行っていた時で、日本人は良いお客さんであった。三越などもわざわざパリに支店をだしていた。

この三越パリ店も訪問してみたけれど規模が小さく、まったくがっかりである。店員が日本人なので、言葉に心配せず安心して買い物ができるというメリットだけである。その分、旅の面白さには欠ける。

 

百貨店横の路上で、生活費稼ぎに似顔絵を描いている中国人青年画家を見つけた。弥左衛門はいつか似顔絵を描いてもらいたいと思っていたので、良い記念になると思いお願いした。

 

これがその作品である。似顔絵は何でも少し立派に書くものである。少し似ていると思ってもらうと良い。

 

同じく百貨店のそばでみた仮装した人間像である。エジプトのツタンカーメンのような格好をしている。結構うまいと思ったのでシャッターを切った。

ヨーロッパではこのような仮装をして、小銭を稼ぐことが多く見かけるが、日本では全くみない。何故だろうか。

空港

パリの空港待合室の風景である。どこのハブ空港も退屈しないようにできており土産物を買ったり、休憩するのに良い。パリもそうである。弥左衛門はチョコレートが好きなので、帰り際に土産用も含めて必ずこのような場所で買うことにしている。

(2020年10月25日記)

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