8月5日に著書「発掘された地方史の一断層 評伝 我家の扁額と山崎延吉 ‟神風″農本主義者と父・正則との接点」を出版します。
この本は戦前に設立された愛知県立安城農林学校初代校長であり、「農民教育家」「農本主義者」「農聖」「日本デンマークを築いた人」と称されている山崎延吉(やまざき のぶきち)と、亡父・金田正則(かなだまさのり・富山県氷見市在)が揮毫してもらった扁額との関係を論じたものです。
その関係を調べていくうちに、筆者は延吉の思想とその評価に新たな疑問・疑念が生じてきました。特に疑問・疑念を抱いたのは延吉と満蒙開拓青少年義勇軍を大量に送り出した加藤完治との深い関係がどの刊行物にもほとんど言及されていないことでした。
たまたま数年前に地元の「九条の会」が開催した満蒙開拓平和記念館(長野県下伊那郡阿智村)館長の講演会を聞いていました。その時の話で印象に残ったのは、「長野県が突出して青少年義勇軍派遣者数が多いのは『赤色教員事件』への見せしめ的意味合いもあった」という館長の説明と、ビデオで見た満蒙開拓青少年義勇兵帰還者の証言でした。
その帰還者の老人は、小学生の時、先生に「うん」と言うまで水の入ったバケツを両手に持って廊下に立たされたということです。
この小著では、これらの疑問・疑念に対する調査結果を通して得られた事実をもとに個人史・地方史・日本史の複合的関連を示したいと思っています。また、この本では山崎延吉と戦前の富山県氷見(ひみ)郡との関係という極めてローカルな事項を扱うので「豆知識」と「世間話」の項目を設けて、内容をわかり易く親しみやすいものにしました。
そのため写真や表、図も多く掲載しています。そして、巻末にはこの本の主題とは直接関係ないが、筆者の今までの人生で一番大きな故郷を襲った自然災害である「令和六年能登半島地震」についての被害写真を緊急追加しました。どうしても故郷の被害状況を記録しておきたいと思ったためです。
興味のある方はご高覧頂けましたら幸いです。
内容紹介(目次)

凡例 7
第 1 章 口絵
1-1 写真:父・正則関係 12
1-2 写真・記事:氷見農学校・農協関係 25
1-3 写真:山崎延吉関係 43
1-4 地図:富山県・氷見市・旧氷見郡 49
第 2 章 山崎延吉素描:経歴・活動・思想・信条 54
第 3 章 昔と今の貨幣価値比較 73
第 4 章 尺貫法とコメの収穫量・消費量 84
第 5 章 山崎延吉日記抜粋(富山県関係)とその着目点
5-1 日記抜粋 92
5-2 着目点 130
第 6 章 山崎延吉と富山県・氷見郡
6-1 人的交流 135
6-2 山崎延吉と氷見農学校・公民義塾 138
第 7 章 山崎延吉と父・正則の関連年表 153
第 8 章 父・正則と山崎延吉との接点 244
第 9 章 満蒙開拓青少年義勇軍と加藤完治及び山崎延吉 250
第 10 章 新たな三つの疑問・疑念 275
第 11 章 世間話(五十音順)
市川正一著『日本共産党闘争小史』と親父の一言 288
キャリング?とサツマイモ栽培 289
完全給食 297
農地改革と旧地主のボヤキ・怒り 299
決裁箱と皮ベルト 302
社会党員の市議選立候補 303
人糞肥料と化学肥料 304
スズメ鉄砲 306
竹岸ハム(現・プリマハム)コレラ豚事件 309
梨泥棒 311
ニコヨン 312
ニシンと昆布 313
農学校の試験問題 314
氷見郡の自動車数 319
ムシロ( 莚むしろ)織り 322
明治末期の氷見における小売物価 325
第 12 章 豆知識(五十音順)
石黒忠篤 328
井上友一 329
大石斉治 329
大澤 章 330
加藤完治 332
旧制高校と赤門 333
旧富山県農学校 336
熊谷八十三 337
甲種・乙種農学校 338
高等農林 339
国府種徳 340
小作収支報告書 341
三大農学校 342
セマウル運動 343
千石興太郎 345
戦犯と公職追放 345
全村運動 348
デンマーク農業と公民教育 350
帝国農会 352
留岡幸助 353
富山県工業統計推移と伏木港 354
内藤友明 357
日本国民高等学校 357
農会 358
農業改良普及員 359
農地改革 359
氷見デンマーク 362
米価推移 365
奉安殿・二宮金次郎像・神武天皇像 377
報徳会 380
松村謙三 381
「むすびの教育」運動 383
矢作栄蔵 388
「山崎延吉」の正式呼称 388
第 13 章 参考文献解題(発行年順) 391
番外編 緊急記録 衝撃!令和 6 年能登半島地震」の爪痕 446
あとがき 451
添付写真図表等一覧 454
索引 459
購入方法
著者紹介
著者 金田 堅三(かなだ けんそう)
1948 年(昭和 23 年)富山県氷見市島尾生まれ
1955 年(S30)氷見市立宮田小学校入学
1961 年(S36)氷見市立西條中学校入学
1964 年(昭和 39 年)富山県立高岡高校入学
1967 年(昭和 42 年)名古屋工業大学合成化学科入学
1972 年(昭和 47 年)東京工業大学大学院入学
1974 年(昭和 49 年)愛知県の大手自動車部品メーカーに入社、生産技術、研究開発部門に38年間勤務
2012年(平成24年)定年退職
著書
〇「【増補版】我が紛争!1968 年名古屋工業大学 不正入試事件を発端とした民主化運動の記録」(2020 年 7 月 20 日)
〇「今日の中国情勢の底流がわかる『夜と謀略の皇帝』実像毛沢東年譜」(2020 年 11 月 30 日)
〇「50 音引き・総画数順 日本語の漢
字と発音で覚える韓国語重要漢字9000字」(2021年8月9日)
〇「《ある戦後生まれ》の戦争論 北ボルネオ戦跡紀行 / 横井庄一軍曹と小野田寛郎少尉」(2021 年 10 月 4
日)
〇「【エッセンス改訂版】毛沢東「夜と謀略の皇帝」詳細年譜(2022 年6月6日)」
〇「習近平 社会帝国主義的軍事党治国家の根源を問う」(2023 年 5 月 1 日)
すべて発行所はデザインエッグ㈱、発売はアマゾン及び楽天ブックス、現在の主な関心は科学技術史・技術論、言語学、歴史、自称・年金ライター(年金生活を送りながら好
きなことを書いている)
ブログ開設中で「ケンゾウラボ」で検索。メールアドレス:kenzolabo@hotmail.co.jp


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